Toru Kobayashiさんのレビュー

ビジネスエリートの新論語 (文春新書)
司馬 遼太郎 (司馬 遼太郎) 評価3.5 点 平均(3.5)
  • 出版日:2016-12-09
  • 種類:新書
  • ISBN:4166611100
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評価3.5 点 (3.5)

投稿日 2017-03-21 09:00:58

どこのどいつか知らんが、『ビジネスエリートの新論語』なんて、また小賢しい本を出しやがって。こうやって利いた風なことを抜かす奴らが幅を利かしているのを見て苦々しく思う今日この頃。どれ、誰が書いたんだこれ。
なに、司馬遼太郎?
ああごめんなさいごめんなさい、失礼しました。
実はかなり古い本なんですなこれ。昭和30年、産経新聞の記者であった時代に、司馬遼太郎という筆名ではなく、本名の福田定一の名義で出されたようで。オリジナルのタイトルは『名言随筆サラリーマン ユーモア新論語』。タイトル通り、古今東西の「名言」をネタにしてサラリーマンというものについて語る、という本。どうでも良いけど、名前に「ユーモア」なんて冠してしまってるものって、大抵はあまり面白くないよね。えーとそれで、ビジネスエリートの云々、という小賢しいタイトルに変わったのは昭和47年だそうだ。いずれにしても、まあ何というか時代を感じますですね。冒頭に「尚、本書には今日では不適切とされる表現が散見されますが、とりわけ差別や偏見を助長しかねない記述については、著作権継承者と協議のうえ一部変更しました。原則としては執筆当時の時代状況を考えて原文を尊重しております」と出版社からの断り書きがある。それでもなお、本書を読むと司馬せんせってなかなかのミソジニストでらっしゃいますのね、と少しばかり呆れた。いや、このエッセイを読まなくても、彼の作品を読めば、その中にミソジニーのかほりというものは十分に嗅ぎ取れるのだけど。
どういう読者層を想定したのか、ちょっとカジュアルにしようとしすぎて上滑りしてやしませんかという印象が拭えない第一部よりも、ボリュームははるかに少ないけれども、やや落ち着きを感じられる第二部、ことに『二人の老サラリーマン』あたりが個人的には好みですな。

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