藤岡 塩味さんのレビュー

禁じられた楽園 (徳間文庫)
恩田 陸 (恩田 陸) 評価3.5 点 平均(3.5)
  • 出版日:2007-03-01
  • 種類:文庫
  • ISBN:4198925690
読書タグ: 恩田 陸  ミステリー 

評価3.5 点 (3.5)

投稿日 2017-06-19 02:27:32

恩田のホラーはバッタバッタと人が殺されていくわけではなく、危険がひりひりと迫ってくるわけでもなく、日常生活のちょっとした「ずれ」や、些細な不安を精神的にじりじりとクローズアップさせて、緊迫感を読者に強要するタイプです。怖いというより気持ち悪くて仕方ない感を煽ります。「月の裏側」しかり、「きのうの世界」しかりです。この得体の知れない不安感煽り攻撃はスティーブン・キングにちかいものがありますね。

もうひとつの恩田の特徴は「奇妙な巨大建造物」の中に登場人物を、放り込みたがるところです。「MEIZE」しかり「上と外」しかりです。「ネクロポリス」も「ロミロミ」もちょっとこのにおいがしますね。

若き天才美術家であり、莫大な資金を持った旧家の御曹司であり、恐ろしいくらいのカリスマ性を持った大学の烏山響一を中心に、彼に引き込まれていく主人公たちの恐怖体験がメインテーマとして描かれます。
今回恩田が用意した巨大建造物は、、熊野の山奥に作られた驚異的なスケールのインスタレーション、つまりテーマパークです。そこは、むき出しの過酷な自然と奇妙な芸術作品、そして訪れた人々の心象に感応して 「恐怖」を生み出す悪意に満ちた場所でした。都合5人がここを訪れますが、それぞれ神木ともいえる邪悪な老木(神木)に精神的に捉えられます。その危機をし食うのは意外な人物で・・・・

良く出来たストーリーではあるのですが、残念ながらラストが『夢オチ』に近い終わり方で、この神木についての解説が不十分すぎます

藤岡 塩味さんの読書タグ:

いいね!!数 1

このレビューにコメントする

コメントするには、ログインが必要です。

このレビューについたコメント(0)


その他のレビュー