Kazuyuki Fujitaさんのレビュー

死海文書のすべて
ジェームス・C. ヴァンダーカム (ジェームス・C. ヴァンダーカム) 評価4.0 点 平均(4.0)
  • 出版日:2005-03-01
  • 種類:単行本
  • ISBN:4791761723
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評価4.0 点 (4.0)

投稿日 2017-06-19 20:58:08

思ったよりもはるかに学術的だった。実に正統的であり、当たり前だが『ヴォイニッチ写本の謎』とは偉い違いである。

20世紀の半ばに死海のほとり、クムランの11の洞窟で発見されたのが死海文書であり、当時から大発見だった。製作年代は紀元0年前後であり、キリスト教勃興の頃に存在した教団が聖書と重なる文書を残していたことによって、キリスト教の成立を含む歴史が大きく書き換えられると期待された。どうやら思想的にはエッセネ派というものに一番近いらしい。発見に至るまでの経緯と、発見された文書の内容、そしてテキストの分析からどのように聖書が形作られていったのかが系統だって述べられている。

正直、こんなに古いものをこんなにありありと分析し得るということに驚嘆する。文書は主に巻物の形だが、歳月によって細片に分断されているものも多い。それが再現の努力がはらわれて、こうして文章として読める(欠けている部分は括弧内で補われている)のは本当に執念の賜物だし、それだけキリスト教というものに注意(とお金も)が向けられてきたという証拠だろう。最近、12番めの洞窟が発見されたという報もあり、太古の昔のありさまが明らかになることに、つくづくロマンを感じる。

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